インタビュー 伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事が仕掛けたインスタ運用と
「#ロータスアレンジ」UGC収集の裏側

繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において幅広いビジネスをグローバルに展開する大手総合商社、伊藤忠商事。

近年デジタル領域にも力を入れはじめ、ここ最近ではInstagram(インスタグラム)でオリジナルハッシュタグを活用したキャンペーンや日本アカウントの代理運用もされているといいます。

同社の食料カンパニーで複数ブランドの日本展開を担当する伊藤さんに話を聞きました。

  • 伊藤優志(いとう ゆうし)
    伊藤忠商事株式会社
    食料カンパニー 食品流通部門 リテール開発部 リテール開発第一課

海外ブランドを日本へ広めるために、商社としてできること

まずは、御社のリテール開発部についてと伊藤様の業務について教えてください。

商社の仕事といえばミサイルからラーメンまでと言われることが多いのですが、私が在籍する食料カンパニーではラーメン寄りの仕事をしています。
その中でも最終製品を扱っている部に所属しています。

リテール開発第一課では商社としてブランドの独占販売代理権を海外のブランドから取得し、日本で広めていくことが役割です。

赤いパッケージが目印のビスケットロータスビスコフや フランス生まれのジャムサン・ダルフォーなどのブランドを担当していますが、 現地のブランド担当者は日本のマーケットの知見を持っていなければ日本語を話せる人もいないので、日本における展開を代理店としてお手伝いするのが我々の仕事です。

マーケティング起点での商品提案や開発をされているとのことですが、具体的にどのようなことをされているのか教えてください。

日本でブランドを拡大していきたいという思いがあるけど日本のマーケットがわからないという企業に向けて、私たちが情報をインプットし、コミュニケーションを取りながら提案をしています。

日本の大手メーカーはマーケティング予算が多くCMや店頭施策、Webメディアへの出稿など様々な施策を行っていますが、我々の場合は海外ブランドの日本国内でのマーケティングになるので、予算が限られた中でのマーケティングになります。

ブランドマーケティングというよりは、トレードマーケティングを主に行っていて、特定の小売さんと一緒にキャンペーンを企画して販売数を伸ばしたり、店頭でオリジナルグッズが当たる抽選会を行ったりと、小売店を中心とした施策が多いです。

トレードマーケティングが中心とのことですが、デジタル領域に注力されている企業様はまだ少ないのでしょうか。

スーパーやコンビニといったマスチャネルに広めて欲しいとブランド側から言われることが多いです。
ただ、デジタル化が進む中、ネットで調べたときに購入までのルートが無いのはもったいないということで、 今年、各ブランドを集約したオンラインショップを立ち上げました。

ブランドの世界観を体現したコンテンツ作りを。
サン・ダルフォーのInstagram運用について

デジタル化を意識されたのはここ最近なんですね。SNSを活用した認知拡大施策は実施されていますか?

フランスのブランドサン・ダルフォーは日本のInstagramアカウントの代理運用を行っています。
運用のきっかけは、日欧EPA(日EU経済連携協定)の発効を受け、販促活動を強化する中で、Instagramの運用にも使用できないかと提案したのが始まりでした。
2018年から試験的に@stdalfourjpのアカウントを開設し運用を初めてきましたが、今では1.2万フォロワーを抱えるアカウントにまで成長しました。

運用開始から2年ほどで1.2万フォロワー到達されたんですね!海外ブランドの代理運用ということですが、運用においてどのようなことを大事にされていらっしゃるのでしょうか。

ブランドの世界観を日本へ伝えるため、サン・ダルフォーの世界観を体現するようなコンテンツ作りは運用当初から意識しています。
サン・ダルフォーは全世界的なブランドで、アメリカでもイギリスでもオーストラリアでもかなり人気のブランドです。
各国での販売は基本的に代理店に任せていて、代理店同士で取り組みの報告会があるのですが、日本のInstagramはコンテンツがすごく良い評価をされているんです。
サン・ダルフォーを活用したアレンジレシピをマガジン風に紹介したり、ユーザー参加型のフォトコンテストを実施したりしています。

運用においてはどのような指標をおいているのでしょうか。

月ごとのフォロワー増加数や、投稿のインプレッション数などを主に見ています。
公式オンラインショップを作成したので、ここ最近はショップ機能やストーリーズを活用しながら、いかにオンラインショップへ流入させるかというところも追いはじめました。

ユーザー参加型のキャンペーン実施で
「#ロータスアレンジ」のUGCを収集

サン・ダルフォーではInstagramからのショップの流入も狙っているのですね。
ロータスビスコフではInstagramメディアPetrelとのコラボ施策も実施されていましたよね!

Petrelのオフィシャルメンバーさんと一緒にアレンジレシピを考案し、 「#ロータスアレンジ」 を付けて投稿してくれた方にプレゼントが当たるというキャンペーンを実施、ロータスビスコフの認知拡大とUGC投稿の生成を目指した施策を行いました。

ロータスは40代〜50代くらいの日常からスーパーで買い物をしている層には知られているのですが、他のお菓子と比べると単価が少し高いこともあり、20代のお客様の認知はまだまだです。
Petrelは10代・20代の若年女性のユーザーを多く抱えていたので、その層への認知獲得のためご一緒させていただきました。

Petrelの施策を行い、どのような効果があったのでしょうか。

Petrelのフォロワーに向けて、キャンペーン専用のオリジナルハッシュタグ「#ロータスアレンジ」を付けてロータスを使ったアレンジレシピの投稿してもらうよう促したのですが、1日あたり約5投稿され、約1ヶ月で150件増加しました。

ロータス側で設けているアレンジレシピの条件としては、ロータスらしさが失われないこと、サクサク感が残っていること、ロータスを使っているのがわかることの3つの条件を満たして欲しいと言われています。
この条件をクリアしながらも、斬新なアレンジレシピを考えていただきました。

ターゲット層であるリアルな女の子たちが考えたレシピだったので、よりユーザーに好評で、トレンドに敏感な女の子に求められるようなPetrelらしいクリエイティブで投稿していただいたので、 より10代〜20代のユーザーに刺さるキャンペーンになったのかなという印象です。
5種類のアレンジレシピを考えていただいたのですが、ロータスチキンの発想にはびっくりしました(笑)

Instagramがユーザーとブランドの接点に

Instagramの活用も少しずつされているとのことですが、Instagramにはどのような役割があると考えますか?

今までは検索エンジンを使って調べものをしていましたが、ここ最近はインスタ内の検索機能を活用して、行きたい場所や欲しいものを探すユーザーが増えているとこもあり、ユーザーとブランドの接点をつくる場になっているのかなと思います。

我々は代理店なので、クライアント企業の商品を実売に繋げることがすごく大事だと思っています。
伊藤忠商事でもAOYAMA FOOD SALONというオンラインショップの立ち上げなどデジタル領域へも少しずつ取り組みはじめています。
商社としてできることを今後取り組んでいきたいと思っています。