インタビュー 株式会社Loco Partners

潜在層へのアプローチから良質な認知の獲得へ。
宿泊予約サービス「Relux」がSNSに注力するワケ

2013年のサービス開始から、満足度の高い宿泊施設のみを厳選して紹介するという独自路線を歩んできた株式会社Loco Partnersが運営する宿泊予約サービス「Relux」。
宿泊予約サイトの従来のマーケティングに囚われず、SNSを活用した潜在ニーズへのアプローチに注力してきたといいます。


同社でInstagramをはじめ、Twitter、YouTubeなどのSNS運用を担当している伊藤真莉(いとう まり)さんに、Instagramアカウント開設の経緯から、 累計フォロワー数約60万人を抱えるアカウントまでに成長した過程、今後の活用について話を伺いました。

カスタマーとの接触面を増やして良質な認知を獲得。
いざ旅行を計画する際にReluxを思い出して使ってもらう

まずは宿泊予約サービス「Relux」について教えてください。

Reluxは日本全国にある満足度の高い上位5%のホテルと旅館のみを厳選した宿泊予約サービスです。
全国各地の一流ホテル・旅館を泊まりあるいてきたReluxの審査委員による厳しい審査を通過し心からおすすめできる宿泊施設だけを紹介しています。

Reluxの公式Instagramアカウント「@relux_jp」は32万人を超えるフォロワーを抱えていらっしゃいますよね。
SNSの運用に力を入れることになったのはどのような経緯があったのでしょうか。

宿泊予約サイトの従来のマーケティングは、目的の宿泊施設を旅行の計画中に検索して探すカスタマーに向けて広告を配信するなど、 いわゆる刈り取り式のマーケティングが多かったのですが、Reluxはそれだけではなく、SNSを使うことでまだ旅行を具体的には計画していないけど、 なんとなく「旅行したいな」と思っているような潜在的な需要へのアプローチを目指しています

食事やファッションなどは購買頻度が高いですが、旅行の頻度は平均で年に2.3回と言われています。
その少ないチャンスにReluxを選んでいただくため、カスタマーとより近い距離でコミュニケーションができるSNSを活用し、旅行の計画をする際にReluxを想起してもらいたいと思っています。

カスタマーと接する面を増やすとのことですが、認知獲得のための一施策ということになるのでしょうか。

広く言えば認知獲得の施策になります。ただ、「Reluxを知っていますか?」という質問に対して、はい / いいえで答えてもらうだけではなく、 「宿泊予約サイトで知っているサイトはなんですか?」という質問をしたときに、「Relux」を挙げてもらえるような、良質な認知の獲得が目的です。

カスタマーとの接触面を増やして良質な認知を獲得し、いざ旅行に行きたいなと思ったときに、Reluxを思い出して使ってもらうことが理想です。

Instagramメインアカウントである「@relux_jp」の他にも、テーマ別の複数アカウントを運用されていますよね!
アカウントを分けているのにはどのような理由があるのでしょうか。

もともとは「@relux_jp」のみ運用していたのですが、テーマ別のアカウントを2019年5月に新しく開設しました。
「@relux_jp」のアカウントはReluxのサイトで掲載している宿泊施設を紹介していますが、テーマ別のアカウントではカスタマーが実際に宿泊して投稿したUGC投稿をリポストしながら運用しています。
アカウントの規模が小さいからこそ、より親密なコミュニケーションをとってロイヤリティを高めることができるのではないかと思い運用を始めました。

また、「@relux_jp」では旅館やリゾートホテル、シティーホテルなど、宿泊施設の種別を問わず投稿していますが、 テーマ別のアカウントでは、旅館が好きな方やリゾートホテルが好きな人など、細かいニーズにフィットするようジャンルごとにアカウントをつくり、よりカスタマーへの細かいアプローチを目指しています。

地道な分析と改善がアカウント成長の鍵。
インタラクティブなユーザーコミュニケーションを意識した運用を

全6アカウントの累計フォロワー数が60万人を抱えていてかなりの影響力があるかと思いますが、運用において大事にしていることを教えてください。

1つ目は、良質な認知に繋がるようにストーリーズの質問機能を活用したり、インスタライブをやってみたり、またカスタマーに「#Reluxでリザーブ」をタグ付して投稿してもらえるような、 UGC投稿を増やすための施策を実施してみたりと、こちらから一方的に情報を伝えるだけではなく、双方向のインタラクティブなコミュニケーションをとることを心がけています。

2つ目は、当たり前のことではありますが、発信している情報が正しくて参考になるかどうか、また宿泊施設の魅力を最大限伝えられているかを意識しています。
写真が綺麗と言われることが多いのですが、それだけではなく投稿を見て「いつか泊まってみたいな」と具体的に滞在をイメージしてもらえるような投稿づくりを心がけています。

具体的には、旅行を検討している方でも知りたい情報が得られるように、写真の枚数をなるべく多くし、実際の滞在シーンを想像しやすくしたり、カスタマーが求めている地名や設備など、宿泊施設に関する情報をしっかり盛り込むようにしたりしています。

また、カスタマーがタグ付けしてくれた投稿を活用し、実際に泊まった感想を引用して旅行の参考になるような口コミを可視化することで、「綺麗だな、憧れるな」と思うだけではなくて、 一歩先の行動に繋がるような情報発信を大事にしています。

アカウントからもこだわりを持って運用されているのが伝わってきますが、数値面ではどのようなKPIを設定し運用されているのでしょうか。

主に置いているのが、サービス本体への流入数を示す「セッション数」です。
全てのInstagramアカウントでは毎日、Relux宿泊施設を、施設ページのURLをつけてストーリーズで紹介しているので、そのストーリーズからのセッション数をKPIとして置いています。

また今期からは、Reluxの公式の投稿に限らず、ユーザーのポジティブな投稿の総量を増やすという目的のもと、UGC数を追い始めました。

サブ的な指標としては、エンゲージメント率とフォロワー数を追っています。
フォロワー数とエンゲージメント率が上がると、自ずとセッション数も上がっていくので、週次で数値を出し、アクティブなフォロワーがどのくらいいるのかを測っています。

KPI達成を目標に日々運用されていると思いますが、Instagramの施策で特に効果を実感した施策について教えてください。

キャンペーンなどの単発施策を行うよりかは、地道な投稿の改善に一番効果を感じています

投稿のいいね数やフォロワー数を記録し、1枚目の投稿写真の明るさや色味、構図はどういうものかなど、伸びる投稿の共通点を洗い出し人気投稿の要素を分析、PDCAを回すことでアカウントを伸ばすことができています

毎日の地道な積み重ねがかなり大事なんですね。Instagramを運用する中で課題に感じていることはあるのでしょうか。

今期からUGC数を追い始めたのですが、そこへの課題を感じています。
コロナ禍による自粛期間の影響によって、カスタマーの旅行に関する投稿が発生しづらい時期ということもあったうえに、サービス自体の仕組み的に、口コミをSNSで生むのが難しいと感じています。

旅行後に「いい宿だった」という感想を書いて投稿する方はいますが、そこにわざわざ「Reluxで予約しました」と書く方はなかなかいないんですよね。
Reluxについて言及してもらうこと自体がファン化に繋がると思いますし、Reluxを知らないカスタマーがハッシュタグをきっかけにReluxにたどり着いて欲しいと思っています。
そのため、Reluxのハッシュタグを使った投稿を促せるよう試行錯誤していきたいです。

Reluxに関するポジティブな情報の総量を増やす起点として。
今後のマーケ施策におけるInstagramの立ち位置とは

試行錯誤しながら運用されていると思いますが、「Relux」にとってInstagramはどのような立ち位置なのでしょうか。

「情報を発信するツール」というよりは、Reluxに関するポジティブな情報の総量を増やす起点として捉えています。
マーケ施策としてはSNSを含めいろんなチャネルがあると思うのですが、Instagramは特にカスタマーとのコミュニケーションが取りやすいチャネルだと思うので、コミュニケーションを深める立ち位置としても捉えています。

また宿泊施設の魅力を伝えることで旅とカスタマーを結びつけることができる場所だと思っています。
Instagramに限らず、SNSで魅力を発信することでカスタマーとの接触面を増やし、そこから旅行需要を育てつつサービスを確実に覚えてもらう役割を担っているかなと思います。

「ポジティブな情報の総量を増やす起点」という捉え方がとても素敵ですね!
最後になりますが、今後のマーケティング活動において、Instagramをどのように活用していく計画か教えてください。

アカウントが拡大し影響力が増す中で、よりフォロワーが増えるスピードが早くなっているのを感じています。
よりReluxの良質な認知を広めて、サービスのユーザーを増やしていくために有効に使えるチャネルだと思っています。

規模が大きくなってきているからこそ、UGCを増やすことで、ポジティブなコミュニケーションをより効率的に増やすことができると思います
また、ストーリーズやインスタライブももっと活用しながら、カスタマーとのコミュニケーションを深めていきたいです。