インタビュー 株式会社yutori

想いやカルチャーを伝える場に。
共感を生むyutori流Instagramマーケティングとは

古着コミュニティである「古着女子」や 「古着男子」の運営、 「9090」や 「spoon store」をはじめとする複数のD2Cブランドを手掛ける株式会社yutori。
ここ最近ではZOZOへグループインのニュースで話題を集め、今後の取り組みに注目されている企業の一つです。


Instagram上でのコミュニティに目をつけ、yutori流のカルチャーを発信をしてきた同社は、現在累計フォロワー数80万人を超えるまで成長しています。


事業の基盤を担うInstagramの活用について、古着事業部の濱田さん、髙泉さんに話を聞きました。

  • 濱田 栞(はまだ しおり)
    yutori株式会社 アパレル事業部 マネージャー

    「spoon store」をはじめとするオリジナルブランド全般のマネージャーを担当。

  • 髙泉 優加(たかいずみ ゆうか)
    yutori株式会社 アパレル事業部 クリエイティブリーダー

    「古着女子」のアカウント運用、「spoon store」のクリエイティブリーダーを担当。
    その他オリジナルブランドのアカウント運用を兼任。

1人のピュアな「好き」から生まれた。
yutori社のはじまり「古着女子」のスタートから
オリジナルブランド誕生まで

yutori社のはじまりである「古着女子」。
アカウント立ち上げについて教えてください。

濱田 :

高校時代から一人で原宿の古着屋さんで買い物をするくらいファッションが好きな当社代表の片石が、個人的に運用をはじめたアカウントが今の「古着女子」のアカウントなんです。

Instagramを見ている中で「#古着女子と繋がりたい」「#古着男子と繋がりたい」などのハッシュタグによってコミュニティ化しているところに目をつけ、 Instagram上でストリートスナップのような投稿をしたら面白いいんじゃないかと思い投稿をはじめたのがきっかけです。

運用をはじめてから半年で10万人ほどまでフォロワーが増えていったので、事業にできるんじゃないかと考え法人化に至りました。

メディアアカウントとして活用されている「古着女子」、「古着男子」の運用開始から、オリジナルブランドのストア立ち上げに至るまでの経緯について教えてください。

濱田:

「古着女子」はユーザーが撮影したものをリポストして運用しているメディアアカウントです。
Instagram上の古着が好きな女の子の中で、「古着女子」に取り上げてもらうことがある種のステータスになっていたり、取り上げられたことで自分の好きを認められたと感じてもらえる、そんなカルチャーが出来上がりつつありました。

「古着女子」を運用する中で、古着が好きな女の子の中でもいくつかの系統に分かれていることに気が付きました。ボーイッシュな系統が好きな子や、ガーリーな系統が好きな子、はたまた個性派の子もいたり。
それぞれの系統に合わせたセレクトブランドを作ることで古着好きの子に喜んでもらえるのではないかと考え、「9090」や「spoon store」などのオリジナルブランドの立ち上げに至りました。

"yutoriらしさ”を大切に。
より古着を好きになってもらえるようなコンテンツ作りを

どのアカウントも多くのフォロワー数を抱えている人気のアカウントですが、運用においてどのようなことを大事にされているのでしょうか。

濱田:

「古着女子」や「古着男子」のメディアとして運用しているアカウントは、古着を好きなってもらうための入り口のような位置付けになっているので、 ニッチな古着のコーデを紹介するというよりは、古着に興味を持ちはじめた方や古着っていいな、と思ってもらえるような投稿作りを意識しています。

オリジナルブランドは「古着女子」や「古着男子」をきっかけに古着を好きになってくれたフォロワーに刺さるよう、それぞれのブランドの世界観を伝えられるようなコンテンツを意識して配信しています。

髙泉:

その上でより古着を好きになってもらえるような特集を組むようにしています。
例えば、このボトムスにはこういうTシャツとこの小物を合わせるのがおすすめ、というような着回しを提案をしたり、フォロワーが保存してまた見たくなるような企画作りをしています。

またストーリーズを使ってどんな投稿をして欲しいかアンケートをとり、フォロワーが求めている情報を提供しています。
時には他のメディアを見て、どういう投稿が伸びているのかを分析しながらユーザーのニーズを把握し、企画作りに役立てることもあります。

濱田:

あとは、どのアカウントもyutoriらしさを大事にしています。どういう見せ方がyutoriらしいんだろう…と考え、生まれたのが「エモ字」です(笑)
社内では手書き文字のことをエモ字と呼んでいるのですが、無機質にならないようクリエイティブを作成しています。

トレンドの移り変わりが早いInstagramだからこそ、
毎日の数値管理でフォロワーから求められるアカウントに

運用においては、どのようなKPIを設定されているのでしょうか。

髙泉:

目標のフォロワー数を設定して、投稿からどれだけフォローに繋がったのかを分析したり、投稿のエンゲージメントを測るため、保存数やいいね数を追っています。

濱田:

Instagramはトレンドの移り変わりが早くスピード勝負なので、その日変化した数字はその日に振り返らないと早くPDCAを回せないと思っていて——。そのようなスピード感は全社的に大事にしています。
毎日朝会があるので、数字の共有とフィードバックを行い、週一回のペースで全てのアカウントの運用メンバーが集まって話せる機会を設けています。

KPI達成を目指して分析を重ねながら運用されているのですね。
Instagramを活用した取り組みの中で、特に反響のあった投稿について教えてください。

髙泉:

GUのアイテムやプチプラ系のブランドのアイテムなど、ユーザーがすでに持っているような身近なアイテムを活用したコーデの紹介は人気があります。
真似したくなるような着回し系の企画や、古着初心者に向けた投稿はフォロワーからの反響が大きいです。

濱田:

コロナウイルスによる自粛期間中に投稿した、古着女子におすすめのおうちでの過ごし方を提案する投稿も人気でした。
無印のメロンソーダのアレンジ方法を紹介する投稿では、22,000を超えるいいね数を獲得していました。

どのアカウントもここまで順調にファンを獲得してきている印象ですが、課題に感じていることはあるのでしょうか。

髙泉:

伸びる投稿を常に作り出すことに難しさを感じています。 クリエイティブによって伸びるか伸びないかがかなり変わってくるので、ユーザーに飽きられないよう、いかに変化をつけて投稿できるかが鍵になってくると思っています。

ファンとのコミュニケーションの場に。
yutori社の今後のInstagram活用について

yutori社の中でInstagramはどのような役割を担っているのでしょうか。

濱田:

古着に興味を持ってもらうきっかけを作る役割、またyutoriや各ブランドの世界観を伝え、共感を得るための場だと思っています。 「古着女子」を知って古着に興味を持ち、古着が好きになったという声をフォロワーから実際にいただくことがあり、より果たすべき役割だと感じています。

今後の事業においてInstagramをどのように活用していく計画ですか?

濱田:

運用開始からどんどん各ブランドフォロワーも増えてきているので、最近リリースされた「リール(Reels)*1」も積極的に活用しながら、よりファンとのコミュニケーションを取るためのツールとして使っていきたいなと思っています。

古着だけではなくオリジナルの商品の制作も行っているので、商品を作るまでの過程やどういう想いを込めて商品を作っているのか、私たちの想いを伝える場になればいいなと思っています。

*1「リール(Reels)」:Instagram上で15秒の短尺動画を作成・発見できる機能のこと。